スケジュール管理・経費精算・メール対応など、毎日当たり前にこなしていて「仕事」として数えていない事務作業を、複数のエージェントに分担させた事例です。移動中にDiscordへボイスメッセージを送るだけで指示が伝わり、報告が音声とテキストの両方で返ってきます。打ち合わせや商談の録音を送れば、議事録とレポートが返ってきます。秘書を雇うほどの規模ではない中小企業・一人事業者を想定しています。
秘書エージェントは、カレンダー・メール・領収書といった個人情報の中枢に触れます。この事例では「どこまでの権限を渡すか」の線引きを、最初のヒアリング段階で業務ごとに決めてから設計を進めます。
| 道具 | 役割 | たとえるなら |
|---|---|---|
| チャットのClaude(claude.ai) | 会話しながら「何を作るか」を決める。設計図・仕様書を作る係 | 建築士との打ち合わせ |
| VS CodeのClaude Code | 決まった設計図をもとに、実際にファイルを作りコードを書く係 | 現場の大工さん |
「秘書に任せたい」と考えたとき、実際に何を任せるのかは意外と言葉にしにくいものです。実在の秘書職の業務範囲を踏まえて、以下をヒアリングの土台にしています。
議事録の整形、各種フォームの下書き、出張が発生する場合の航空券・宿泊先の候補出しなども対象にできます。出張手配は必須の機能ではなく、出張が少ない業態では最初から対象外にして構いません。
「秘書エージェント」と聞くと、なんでもこなす万能な1体を思い浮かべるかもしれません。この事例では、業務ごとにエージェントを分ける構成を推奨しています。
目安: まずは「スケジュール」「経費」「メール」の3体から始めるのが扱いやすい構成です。最初から細かく分けすぎると管理の手間が増えるため、運用しながら必要に応じて分割・統合していきます。
この事例の要は、パソコンの前にいない時間でも秘書が動くことです。そのために、Discordを音声の往復ができる窓口にします。
ここまでは「エージェントへ指示を出す」ための音声でした。もうひとつ、手元にある録音そのものを成果物に変える使い方があります。
打ち合わせが終わったら、スマホの録音アプリで録っておいた音声を、移動しながらDiscordへ送るだけ。数分後には、要点・双方の意向・決定事項・アクションアイテムまで整理されたレポートが返ってきます。机に戻ってから議事録を書き起こす作業がなくなります。
特定の業種向けの機能ではありません。取引先との商談、社内の打ち合わせ、面談、電話会議の録音など、人が話した内容を後から整理したい場面すべてで同じように使えます。会議ツール(Zoom・Google Meetなど)との連携も不要で、音声ファイルさえあれば形式を問いません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会議概要 | 収録時間・推定参加者数・主題 |
| 時系列の要約 | トピックごとに区切り、開始時刻付きで記載 |
| 双方の意向・立場 | 各者が望むこと/懸念していること |
| 決定事項 | 合意・確定した事項のみ |
| アクションアイテム | 表形式。担当が読み取れない場合は「担当未確定」 |
| 未解決・保留事項 | 結論が出ていない論点・次回持ち越し |
| 文字起こしの信頼性メモ | 誤認識が疑われる箇所・聞き取れなかった区間 |
レポートの項目は、プロンプトを書き換えるだけで自由に組み替えられます。商談なら「価格・条件に関する言及」を足す、採用面談なら「候補者の希望条件」に置き換える、といった調整が可能です。
この構成では話者分離(誰の声かを機械的に判別する処理)を行わず、役割の違いはLLMが文脈から推定します。レポートには「話者A(推定)」のように、推定であることが明記された形で書かれます。金額・納期・合意事項など後で争点になりうる箇所は、必ず一緒に保存される文字起こしの原文で裏を取ってください。話者分離は運用を始めたあとから追加できます。
Discordの専用チャンネルの作り方から、文字起こしの導入、常駐設定、動作確認、レポートのカスタマイズ、話者分離の追加まで、ゼロから設定できる手順をガイドにまとめています。
議事録機能の設定手順を見る →| フェーズ | 内容 | 使う道具 | 成果物 |
|---|---|---|---|
| Phase 0 | 要件ヒアリング(現在の事務作業・任せる範囲・権限の線引き) | チャットのClaude | 要件シート |
| Phase 1 | エージェント構成の方針決め(何体に分けるか・各担当の権限範囲・連携ツールの選定) | チャットのClaude | 構成方針書 |
| Phase 2 | カセットの構築(SKILL.md/WORKFLOW.md・専用SPEC/soul.mdすべて必須) | チャットのClaude | SKILL.md・WORKFLOW.md・SPEC/soul.md |
| Phase 3 | 実装(反復)・音声往復の組み込み | VS CodeのClaude Code | 動くカセット本体 |
| Phase 4 | テスト・動作確認 | 両方 | 検証済みカセット |
| Phase 5 | 仕上げ・ドキュメント化 | チャットのClaude | 完成品+使い方ガイド |
任せたい範囲は人によってまったく違うため、ヒアリングを飛ばして使える完成済みTASK.mdは用意していません。必ずPhase 0の要件ヒアリングから始めます。
このプロンプトを、そのまま「チャットのClaude」(claude.ai)の新規会話に貼り付けるだけで、Phase 0の要件ヒアリングが始まります。
続きはT1ご購入後、専用ガイドでご覧いただけます。
(Phase 0の詳細ヒアリング項目・権限の線引きの決め方・音声往復の設定手順・Phase 1以降の指示書テンプレートを含む全文)
メールの自動送信は、運用開始時は無効にすることを強く推奨します。下書きまでをエージェントが作り、送信はご自身が判断する構成から始めてください。誤送信は取り消せません。また、経費精算で扱う金額・税区分は最終的に申告者の責任になります。エージェントは集計と仕分けの下ごしらえまでを担当し、最終確認は必ず人が行う前提で設計してください。
Phase 0の詳細ヒアリング項目・権限の線引きの決め方・音声往復の設定手順・Phase 1以降の指示書テンプレートなど、全文はBALIA OSガイドにまとまっています。
詳しい構築手順を見る →